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2018/08/08
空室保証も真っ赤な嘘!?サブリース契約に潜む嘘
投稿者:UI city株式会社
不動産投資をするときには「できれば、毎月家賃が保証されるといいな」と考えてしまいますよね。空き室が発生すると収益が落ち込むリスクがあるためです。
そんなとき「サブリース」を利用すると家賃保証を受けられますが、実はサブリースには危険もたくさんあるので要注意です。
今回は、サブリースによる不動産投資の失敗事例をご紹介します!
1.サブリースとは
「サブリース」というと「家賃が保証される」イメージがありますが、実は、サブリースは単純に家賃が保証されるだけのシステムではありません。
まずはサブリースとはどのようなものか、理解しておきましょう。
サブリースは、サブリース会社がオーナーから一括で物件を借り上げて、サブリース会社が賃借人と契約して物件を貸すという形態の不動産賃貸です。
サブリースを利用するとき、オーナーの契約相手はサブリース会社です。そこで、賃料はサブリース会社からオーナーへと支払われます。
サブリース会社は、自分の責任で賃借人を探して物件を賃貸し、賃借人から賃料を払ってもらいます。つまり、賃借人はオーナーではなくサブリース会社に賃料を支払うのです。
オーナーがサブリース会社に賃貸するときの賃料は、サブリース会社が賃借人に賃貸するときの賃料より安くなっているので、サブリース会社はその差額を収益にすることができるというシステムです。
オーナーは、サブリース会社にマージンをとられますが、自分で賃借人を探す必要がなく、賃借人が入っていてもいなくてもサブリース会社から賃料を支払ってもらえるメリットを受けられます。
このような複雑な仕組みにより、オーナーはサブリース会社から家賃保証を受けているのと同じ結果になります。
サブリース会社は、不動産オーナーに対し、よく「30年家賃保証!」などと言って売り込みをかけてくることも多く、空き室リスクを恐れる家主にとっては魅力的です。実際に30年間家賃が保証されるなら、メリットがありそうですよね。
2.サブリースのトラブル具体例
一見家主にとってメリットが多そうなサブリースですが、実際には大きな危険がたくさん潜んでいます。
2-1.家賃保証はずっと続かない
まず、サブリース会社による「家賃保証」はずっと続かないということです。
サブリース会社は、よく「30年間家賃保証」などと宣伝していますが、これは嘘です。実際には、オーナーとサブリース会社との賃貸借契約は2年更新などとなっていることが多く、いつサブリース契約を解約されるかわからないのです。
賃貸借契約では、賃貸人からの契約解除は厳しく制限されますが、賃借人からの契約解除は比較的広く認められているので、賃貸人の立場は不安定です。
2-2.家賃を下げられるリスク
単に契約を解除されるだけならば、その後オーナーが自分で賃借人を探せば良いだけと思われるかも知れません。しかし、そう簡単なことでもないのです。
サブリースの契約では、契約の更新の際に家賃を切り下げられてしまうことが多いからです。サブリース会社は、物件の老朽化などを理由として、徐々に家賃を下げていきます。
すると、いつしか賃料収入がローン額を下回って赤字になってしまう可能性もあります。
2-3.保証金や礼金、更新料を受け取れない
不動産賃貸をするときには、賃借人からの保証金や礼金、更新料などを受け取れるものです。こうしたお金は将来のリフォーム資金などのためにおいておかねばなりません。
ところがサブリースの場合、個々の賃借人と契約しているのはサブリース会社なので、オーナーは上記のようなお金を受け取ることができません。
一方で、オーナーは不動産の所有者として、物件を利用に耐える適切な状態に保っておくべき義務を負うので、不具合が発生したら修繕しないといけないのです。
家賃を切り下げられて、敷金保証金礼金などのお金も受け取れないのに、修繕義務だけはオーナーの負担なんて、不合理ですよね。
2-4.サブリース会社倒産のリスク
サブリース会社は、必ずしも経営状況が順風満帆とは限りません。中には倒産してしまう業者もあります。最近でも「かぼちゃの馬車」という女性専用のシェアハウスを運営していたサブリース会社が倒産して、多くのオーナーが大変な目に遭っていました。
サブリース会社が倒産すると、オーナーには家賃が入ってこなくなりますし、個々の賃借人に説明をして直接契約に切り替えないといけません。
また、サブリース会社がずさんな経営をしていた場合、多くの空き室が発生していてローン返済も厳しくなってしまうことがあります。
2-5.サブリース会社が敷金や保証金を持ち逃げ
サブリース会社は、倒産するだけではなく、預かった敷金や保証金を持ち逃げしてしまうケースもあります。そのような場合、賃借人との契約がオーナーに引き継がれる内容になっていることが多いです。
そうなると、賃貸人の地位を引き継いだオーナーが、敷金や保証金の負担をしないといけません。受け取ってもいないのに返還義務だけが発生するなんて、不合理きわまりないと思いませんか?
2-6.高額な建築費用を支払わされるリスク
サブリースを利用するときには、サブリース会社から「アパートの建築込み」で契約を勧誘されるケースが多いです。たとえば遊休地や古いアパートを持っている土地オーナーなどに、物件建築とその後のサブリースをセットにして契約を取り付けようとするのです。
このような場合、建築業者とサブリース業者が提携していて、相場より高額な建築費用を支払わせられるケースがあるので注意が必要です。
建築のために莫大なローンを組まされて、その後はサブリース業者にどんどん家賃を切り下げられて、ということになると、ジリ貧になってしまいます。
2-7.賃貸人からの解除は難しい
このようにサブリース契約にはリスクがたくさんありすぎるので、契約を解除したいと考えるオーナーさんもおられますよね。
しかし、サブリース契約は簡単には解除できません。賃貸借契約において賃借人は強く保護されるので、賃貸人からの解約には「正当事由」が必要だからです。
単に「自分で使いたいから」などの理由では解除は認められません。建物が老朽化していて建て替えの必要があるとか、賃借人が物件を利用していないなどの事情が必要ですし、それに足して賃貸人から賃借人に対して立退料を支払わねばならないこともよくあります。
サブリース会社に搾取された上に立退料まで払わないといけないなんて、「どれだけお金をとられるんだ!」という感じではないでしょうか?
3.サブリースではない家賃保証サービスもある
「サブリース契約は危険だということはわかったけれど、それならば自分で空き室リスクを管理するしかないのか…」
そう思われた方もいると思いますが、サブリースを使わない家賃保証サービスもあります。それは、通常の賃貸管理の不動産業者が家賃保証をつけているケースです。この場合、賃貸借契約自体はオーナーと賃借人の直接契約なので、サブリースのようなさまざまなリスクは発生しません。賃貸人とオーナーが直接契約をしますが、空き室が発生している時には管理会社が家賃を保証してくれるのです。
ただし家賃保証を利用すると、保証をつけないケースよりは受取金額が下がるので、利用するかどうかは慎重に検討しましょう。
4.サブリースを利用するときには慎重に!
賃貸物件を運営するとき、一般的にはサブリースよりも通常の不動産会社による賃貸管理の方が安心です。
上手に賃貸管理の不動産会社を選んで活用し、自分でも空き室が発生しないための努力を続ければ、空き室リスクもある程度避けることは可能です。
これから不動産経営をするとき、サブリース会社から勧誘を受けたら今回の話を思い出して、慎重に検討してみて下さいね。